ATP測定方法

すべての生物の細胞内に存在するATP(アデノシン三リン酸)を酵素などと組み合わせて発光させ、その発光量(Relative Light Unit;RLU)を測定する方法です。
汚れ(菌)が持っているATP を指標とした清浄度検査です。

ATP測定原理
検査の原理は、検査箇所を綿棒等でふき取り、綿棒で捕らえたATP(+AMP* )を試薬と反応して発光させ、その発光量を測定して数値化(RLU)しています。そして、発光量の数値が高いほど、ATP(+AMP)量が多い、( = 清浄度が低い・汚れている)
と判断できます。

ATP測定検査の特徴
1.早い
測定時間 10秒    従来の培養法では1~2日

2.簡単
測定者を選ばず、しかも正確な数値が得られる。

3.数値化
結果が数値で表示され、客観的な管理が可能

4.一般的認知
「食品衛生検査指針 微生物編」(厚生労働省監修)に収載されています。

5.応用例多数
レジオネラ対策に資するATP 値測定による浴槽の衛生状態の評価(福岡県保健環境研究所)
生乳の生菌測定法に採用(明治乳業株式会社)
医療機関、ナースステーション、手術室、透析室、新生児室、各検査室、病室内
宇宙開発分野では惑星の生物存在確認
※その他多くの清浄度が必要とされる、機関、場所において活用されています。

測定単位RLU とは
発生した光の量(=発光量)を示す単位であるRelative Light Unit の略です。
ATP ふき取り検査の場合、ATP(+ AMP)と試薬が反応して生じた光の量が、測定値(RLU)として表されます。そこで、RLU 値が大きいと、ATP 量が多い(=汚れが多い)、と判断できます。

ATP とは
ATP は、Adenosine triphosphate(アデノシン三リン酸)の略語です。
地球上の全ての生物のエネルギー源として存在する化学物質です。ATP は、生命活動がおこなわれている所には、必ず存在します。例えば、動物、植物、菌が持っており、そこから発生する、体液、死がい、食物残渣等にも存在します。つまり、「そこにATP が存在する」ということは、「そこに生物、あるいは生物の痕跡が存在する」証拠であり、菌の餌が存在する環境であるといえます。

AMP とは
AMP は、Adenosine monohosphate(アデノシン一リン酸)の略語です。
ATP 同様、生物に広く存在する物質です。
ATP が熱や長期保存、酵素等の働きにより分解とAMP を生じます。AMP を多く含む汚れは、ATP だけ検出する検査では、正確に検出されない場合があります。
キッコ―マンのATP ふき取り検査は、ATP だけでなくAMP も測定することにより、より幅広い種類の汚れを測定することができます。

参考資料
キッコーマンバイオケミファ株式会社 Q&A 集
レジオネラ対策に資するATP 値測定による浴槽の衛生状態の評価(福岡県保健環境研究所年報第35号、117-119、2008)
化学発光法を用いた菌体内ATP 測定による薬剤感受性測定()東京慈恵会医科大学内科学講座)

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